製法・原材料のこと

製法のこと

石けん製造にはいくつかの製法があるのですが、製造所ではコールドプロセス製法の石けんを作っています。コールドプロセス製法とは、材料に極力熱を加えず自然な鹸化熱を促し、ゆっくりと低温で石けんに仕上げていく遥か古からの石けんの作り方です。とても手間と時間のかかる製法ですが、油脂等の原材料が熱で劣化せず石けんに残ることで、皮脂を落とし過ぎることなくしっとりと保湿感のある洗い上がりとなります。故に原材料の品質はとても大切です。生産者の見えるものやお会いできる地産のもので良質な素材であること、石けんとして使うことでグローバルな社会貢献に繋がること、生物多様性や地球の循環の妨げにならないことに重きを置いて選んでいます。
季節や気候に左右される目に見えない分子たちの化学反応は、何度作っても悩ましくも飽きることがない愉しいプロセスです。高速機器でちゃっちゃと仕上げる方が現代的で効率は良いですが、石けんの声を聴きひたすら何時間も石けんと向き合いながら、なりたいようになれるように見守る作り手であることが私の性には合っているようです。気難しく手間のかかる子ほど愛しい。美しき直方体に仕上がった石けんを見送る度に我が子の旅立ちを見守る母のような心持となります。

原材料のこと

石けんに使う原材料はとてもシンプルです。油脂と水とオプション。シンプルが故にごまかしも効かないと感じています。だからこそひとつひとつの原材料の5W1Hをとことん追求し、疑問があれば何度も尋ね、確信したければどこへでも逢いに行く、私はいつもそんな風に生きてきました。不器用な人間ですがそのお陰で、必要な時に同じ想いの生産者さんに出逢えた奇跡がいくつもありました。Mauruuru craft worksの石けんには、長い月日の中で出逢ってきた大切な生産者さんのこだわりの原材料を使わせて頂いています。Mauruuru(マゥルール)とは「ありがとう」を意味する言葉。石けんの材料を作って下さっている生産者さんやそれを生み出してくれる地球への感謝を忘れない作り手でありたいと思っています。

ココナッツ油:(株)cocowellの香りのない有機ココナッツオイル
丁寧な非加熱濾過製法のココナッツオイル。売上の一部がフィリピンの生産農家・教育支援・災害支援に繋がる。大阪の会社で水井社長は知識人。穏やかなお人柄とフィリピンへの熱い想いや活動を尊敬している。
Mauruuru fare「ココナッツ製品のご案内」
純製ラード:国内油脂製造工場で製造依頼している国産精製ラード
産業廃棄物となっているラードをリサイクルする。パーム油使用を脱却したく純製ラードの製作を熱く依頼しました。何度も製法や試作を繰り返し面倒な要望にも快く対応して下さいました。
「パーム油のこと。」
Mauruuru fare 「純製ラード」
オリーブ油:おりーぶやさんのイタリア農家から直輸入の自然濾過オーガニックオリーブ油
偽装オリーブ油を使わないことは農業マフィアの不正に加担せず、経済混乱や健康被害も防ぐ。
茨城県の人気オリーブオイル専門店オーナーの彼女とはまさに運命の出逢いでした。オリーブが繋いでくれたご縁。
カカオバター:(株)GOROCUBAのマヤカカオから作るカカオバター
小豆島のゴロウさんが、メキシコの秘境で育つ有機循環型農法で育てられたカカオ豆をフェアトレードで直輸入されている。お話しを聞きたくて息子と小豆島まで逢いに行ったことも良い想い出。
「マヤカカカオのゴロウさんに逢いに。」
シアバター:兵庫県の事業者様
アフリカ共和国マリからbioシアバターをフェアトレードで直輸入。女性支援に繋がる活動をされておられます。兵庫県豊岡市在住の彼女との出逢いは生徒様が繋げて下さったご縁です。シアバター市場の世界流通の現状やマリという国を深く考えるきっかけにもなりました。
ヒマワリ油:南光ひまわり館の圧搾一番搾りのヒマワリ油
無農薬栽培のヒマワリから薬品不使用の手作業で濾過されている地産物。
家族で夏に訪れたひまわりの迷路畑。その時に初めて食した一番搾りのヒマワリ油のナッツの風味とコクに驚きました。その後、石けんへの利用を快くお受け下さいました。兵庫県佐用町、自然豊かで美味しいものや歴史深い山城もあり、大好きな町です。

▷その他、精油・薬草・柚子・蜂蜜・酒粕・ビールなどたくさんの生産者の方々の生産物を使わせて頂いています。

 

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