毎日のように私たちが頂いている珈琲豆の生産地では、不安定な経済状態による貧困問題があります。大規模なプランテーション栽培を行う大手珈琲メーカーの大規模農園と違い、スペシャリティ珈琲を生産する農園は小規模なコミニティであり、市場変動・高地栽培・温暖化による気候の変動・高額な中間搾取などにより経済状態が不安定なため、多くの農家が貧しい暮らしをしています。スペシャリティ珈琲は品質が良いほど高く買い取ってもらえるので農家の方は少しでも暮らしを良くしようと日々努力しています。私たちがそんな小規模農園が生産する美味しいスペシャリティ珈琲を飲むことは珈琲農家の経済支援やその家族・子供たちの笑顔に繋がります。Mauruuru fareではそんな小規模農園で丁寧に生産された有機栽培・フェアトレードのスペシャリティ珈琲生豆のみを取り扱っています。色も大きさも香りも違う様々な国の小さな珈琲生豆からその生産地や手仕事に想いを馳せ、丁寧に焙煎する時間を楽しみ感謝して味わうサステイナブルな自家焙煎珈琲のある暮らしをおすすめしています。
グジ・モカ
エチオピア産の珈琲をモカと言いモカ港から出荷されたことがその始まりで、今も世界中で愛される最古の珈琲豆ブランドです。モカの美味しさは柑橘を思わせる爽やかな酸味とすっきりとした飲み心地で、シングルでじっくり味わって頂きたい珈琲です。そして飲み終えた後に広がるコクのある甘味と豊かな香り、この癖になるモカフレーバーが最大の魅力です。起き抜けのモーニング珈琲や水のように軽やかなのど越しを楽しみたい時にもおすすめです。
グジはイルガチェフェに肩を並べる良質な珈琲豆産地であり、現在世界中のスペシャリティ珈琲ファンから注目され始めており、その高い品質は現地の女性達の丁寧なハンドピックにより実現されています。しかしエチオピアの情勢は未だ不安定で、国民の多くは降雨に依存した時給自足の農業で暮らしています。頻繁な干ばつ等により農作物は常に打撃を受け続けており、慢性的に水・食糧不足が続く深刻な貧困問題を抱えている世界最貧国のひとつと言われます。
生産国:エチオピア
精製方法:ナチュラル
品種:在来種
収穫年:2023
おすすめの焙煎度:ハイ~シティロースト(2ハゼ直前~直後)
小さめの豆なので低温でじっくり煎りつつも深く煎り過ぎないように。
販売価格:¥1290/300g
マサイTOP・AA
日本ではあまり知られていませんが世界ではケニア産の珈琲の美味しさは高く評価されており、その洗練された味わいは5本の指に入る程です。このAAグレードの珈琲豆は、ケニア産の最高級TOPグレードと言われる品質です。柑橘系・ベリー・赤ワインのような芳醇な香り、チョコレートやカラメルのような甘味と溢れんばかりの深いコクと重厚感を持ちつつ、苦みが少ないのも特徴で、シングルでも飲みごたえがあり、スイーツやミルクにもよく合います。
ケニアの珈琲農家の多くは小規模農家です。現在、彼らが珈琲を栽培し続けることがますます困難な状況になっており、珈琲農家数・栽培面積が減少している地域もあります。ケニアのコーヒー農家1世帯当たりの農地は少なく、生計を立てていくには生産量が確保しづらい状況が起きています。
生産国:ケニア
精製方法:フリーウォッシュド
品種:SL28 SL34
収穫年:2023
おすすめの焙煎度:フルシティロースト(2ハゼピーク)
大きな豆なので水分抜きをしっかりと、焙煎時間も長めに。
販売価格:¥1560/300g
リントン・マンデリン
今やスペシャリティコーヒー市場で不動の人気を誇るリントン・マンデリン。
マンデリンはインドネシア珈琲のうち僅か数%しか生産されない非常に希少な珈琲豆です。
主にアチェとリントンで栽培されていますが、酸味が強く明るく爽やかな風味で軽いボディのアチェに対して、ハーブのような風味が溢れる爽やかな酸味と厚みのあるコク、ビターチョコレートのような深い苦み、ナッツの香ばしい風味の余韻が楽しめるのがリントンの特徴です。シングルはもちろん、甘いスイーツや和菓子に合わせたり、カフェラテやアイスコーヒーにもおすすめです。
また、リントンでの珈琲栽培はほとんどが小農家で標高1400mほどの山岳の傾斜地に珈琲を植えています。そんな過酷な環境での栽培ですが、無農薬・無施肥で珈琲を育てているだけでなく、野菜やトウガラシなどとの混植栽培など、環境保全を意識した栽培にも取り組んでいます。
生産国:インドネシア
精製方法:スマトラ式
品種:シガラルタン、ジャンバー、オナンガンジャン他
規格:SG(最上級)
収穫年:2023
おすすめの焙煎度:フルシティロースト(2ハゼピーク)
販売価格:¥1560/300g
ジャバニカ
ジャバニカは中米ニカラグア特有の希少品種です。エチオピアからインドネシア、そしてニカラグアへやって来たジャバ種が長い年月や環境の変化によって特殊な香味となった、名門リモンシージョ農園が手がける珈琲豆です。ジャスミンのような華やかさとミカンのような爽やかな香りと酸味、まろやかなコクと甘味がまったりと口いっぱいに広がるクリーミーリッチな味わいと、紅茶のような上品な後味が特徴の素晴らしい食味はぜひストレートで味わって頂きたい珈琲です。
国民の4割が貧困層であるニカラグアですが、勤勉な国民性は近年の目覚ましい栽培・生産技術向上や丁寧にハンドピックされたどこまでも美しい生豆をみればわかります。
大型ハリケーンや干ばつなど自然災害が多く、政治的・経済的にも不安定な国でしたが、着実な経済成長を遂げています。ニカラグアの珈琲業界も少しずつ回復しており品質の向上に向けて生産者の奮闘が続いています。
生産国:ニカラグア
生産地:マタガルパ地区(最高品質)
精製方法:フリーウォッシュド
規格:SHG(最上グレード)
品種:ジャバニカ
収穫年:2023
おすすめの焙煎度:シティロースト(2ハゼ直前~直後)
販売価格:¥1800/300g
デカフェ・コロンビア
珈琲栽培の最良国コロンビアにある標高1800m程のサンタンデール地区農園の有機JAS豆を原料にしたカフェインレス珈琲豆です。厳選された高品質の豆を薬品を使用せず標高5,636mからの綺麗な氷河水のみを用いてマウンテンウォーター式のデカフェ処理を行っています。通常の水に生豆を漬ける方法だと、カフェインと共に美味しさに必要な成分(アミノ酸・ショ糖・クロロゲン酸など)が抜けてしまうのですが、このマウンテンウォーター式だとカフェインのみを抜くことが出来ます。結果、浅煎りでもデカフェを感じさせない甘みと風味ある仕上がりとなっています。カフェインレスは苦味成分が少し抜けることにもなるので、珈琲の苦みが苦手な方にもおすすめです。深入り好きな方はややしっかりめに焙煎して下さい。
世界の珈琲取引相場では「コロンビアマイルド」という分類があるくらいマイルドコーヒーの代表と言われるコロンビア珈琲ですが、その国様は古くから暴力や麻薬の内争が絶えないマイルドとは言い難い情勢です。さらにエルニーニョ現象による干ばつや火災の影響で今後の珈琲産業が懸念されています。
生産国:コロンビア
精製方法:マウンテンウォーター式
品種:カスティージョ・カトゥーラ (有機JAS・RFA認証)
収穫年:2023
おすすめの焙煎度: シティロースト(2ハゼピークより前)
販売価格:¥1580/300g
カフェインレス珈琲とは
コーヒー豆には約1~2%のカフェインが含まれています。カフェインには脳の活性・覚醒作用など活動のスターターとして効果的な作用がありますが、摂り過ぎるとめまい・下痢・嘔吐・高血圧・胎児の発育阻害などの悪影響もあることが解っています。各国において摂取量の基準に若干の違いはありますが、日本(農林水産省)の見解としては米国のデータに基づき概ね1日あたりカップ3~5杯の珈琲の摂取は健康に問題ないとしており、また珈琲の適切な摂取は抗がん作用により死亡リスクが減少する効果がある科学的データの存在も明記しています。
ただやはり、乳幼児・妊婦の方はあえて摂取しない方が良いですし、4時間程度の覚醒作用があることで質の良い睡眠の妨げに繋がるので夜の珈琲摂取もおすすめしません。でも夕食後は美味しい珈琲を飲みながらゆっくりと過ごしたくなるものです。
なので私はいつも夕方以降はカフェインレス珈琲を頂きます。またこれなら子供や妊婦の方はもちろん、カフェイン過敏症の方も安心して頂けます。
カフェインの抜出は溶剤を使用しないスイスウォーター式やマウンテンウォーター式抜出法で仕上げています。通常の水に生豆を漬けて抜く方法だと風味や有効成分が損なわれてしまうので、飽和水を用いてカフェインのみを抽出することで美味しいカフェインレス珈琲に仕上がっています。香りと甘みが素晴らしいのですが、カフェインレスになると苦味が少し薄れその分酸味が少し高まりますので、いつもより少しだけ深く焙煎してみるのもおすすめです。珈琲の苦みが苦手な方でもブラックで召し上がれると思います。
生豆の管理について
当店では収穫年の新しい新鮮な生豆を仕入れ、鮮度を保つために真空包装の上、定温庫で保管して劣化を防いでいます。購入後の生豆は高温多湿を避け冷涼な場所で保管して下さい。
欠点豆について
取扱はすべてスペシャリティ珈琲のため、ほぼ欠点豆はありませんが、袋詰めの前にさらに目視によりハンドピックしています。無農薬・無施肥栽培ですので、若干の虫食い跡や小さな豆もございますが多少の種(豆)の個体差は植物の自然の姿とお考え下さい。
お求めは
■Mauruuru fare
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■「スペシャリティ珈琲生豆と自家焙煎器のある暮らし」こちらもお読みください。
■自家焙煎器のデモ体験ができる ちょこっとお話し会「自家焙煎珈琲のある暮らし」もご活用ください。